たらこの名前は『禅(ぜん)』になりました。
禅の名前の由来は。
旦那が『翔(しょう)』という、一文字の名前であること。
そして、禅というものには、武士道の精神が深く関わっているということや、座禅という言葉があるように、自分と向き合い、物事の本質を自分自身によって見分ける(見抜く)というような意味があることから、この漢字を選びました。
目に見えているものだけや、聞こえてくるものに惑わされず、いつも自分にとって自然なこと、大切なことを見極められる人間であって欲しいと思います。
日本人として産まれた事を誇りに思い、DNAに刻まれた武士道の精神を大切にし、常に自分と向き合える強い男になってもらいたいという意味を込めて。
出産翌日。
朝から授乳ということで、部屋で禅を待っていました。
だけど一向にこない。
するとものすごい笑顔で看護師さんがやってきました。
『びっくりしないでね!禅くんに気になる症状があるから今すぐ大学病院に連れて行きたいの。旦那さんすぐ呼んでもらえるかな?』
あのときの恐怖は一生忘れられません。
旦那にすぐ仕事を切り上げて病院にきてもらい、先生の話を聞きました。
『落陽現象』という黒目がすとんと下に落ちるような症状がかなり頻繁におこっているということでした。
私の出産はお腹の上に馬乗りになってもらったり、最後は吸引してもらったりとかなり補助を要する出産になってしまったので、禅への負担が大きかった可能性があると。
そのまま禅は救急車に乗せられ、旦那が一緒に乗り込みました。
そして生後2日目にして、禅は、一度も私のおっぱいを吸うこともなく大学病院のNICUへ。
10ヶ月一心同体だった禅とはそれきり離れ離れになってしまいました。
まず一つ目の検査結果の報告が旦那からありました。
『どうやら頭の中に出血があるらしい』
この時は、心臓が止まるかと思いました。
吸引したから?
引っ張りだしたから?
私がもっと上手にいきめてたら?
分娩時間が長かったから?
同じことを夜までずっと考えていました。
病院のスタッフさんは本当によくしてくれました。
あのとき、あのタイミングで吸引してもらえて本当に良かった。
納得のいく分娩、とっても感動したお産でした。
そして自分。
自分はもっと頑張れたかもしれない。
だけど、私の身体は本当によく頑張ってくれました。
身体は限界まで開いてくれた、禅もよく出てきてくれた。
初産でほぼ4000gの男の子を頑張って通してくれた私の身体に感謝しています。
そう。
ほんとはわかっている。
誰も悪くない。
みんな本当に頑張ってくれた。
自分が楽になりたいがために、誰かのせいにしたり、悪者を探したりするのはやめよう。
そんなことしたって禅の出血は治らない。
悲しいとは違う。
悔しさに似た感情で胸がいっぱいで、その晩は泣きながら禅が飲むはずだったおっぱいを絞りました。
準備したはずのおっぱいは、何度も何度も絞っても、スプーン一杯ほどしか出なくて。
涙は飲めるほど出るのに。
悔しくて、悔しくて。
悔しかった。
私が退院した日、面会開始時間きっちりに禅に会いにいきました。
『禅、久しぶりだね。』
声をかけた瞬間、禅は目を見開いて笑ってくれました。
手足を全力でバタバタさせながら。
わかってるんですね。
覚えてるんですね。
10ヶ月聞いてきた声を。
私のことを。
周りにいた看護師さんもすごく驚いていましたが、何より私が一番驚きました。
嬉しいや、感動を通り越して、恐ささえ感じました。
凄すぎて。
目に見えない繋がりや、新生児の可能性の凄さに鳥肌がたちました。
禅が一番頑張ったね。
産まれてきてくれてありがとう。
ほんとにそれだけで嬉しいよ。
愛しくて、愛しくて、たまらない。
私のパーツを並べたような禅さん。
君はお腹の中から出てきても、本当に手のかかる奴だね。
もしも何かがあっても、何もなかったとしても、この愛おしさは何も変わらない。
禅の精神で、私達家族にとって大切なものをきちんと見極めようね。
私達なりの、世界一楽しくて、世界一愛し合える家族にしようね。
かわいかった今日の禅が忘れられなくて。会いたくて、会いたくて。
かぁちゃん眠れないよ!!
今日も禅が生きている。
それだけで幸せで泣きそうです。
退院目指して頑張ろうね。
たくさんのお祝いの言葉、本当にありがとうございます!
お返事がいつになるかわかりませんが、気長にまって頂けるとありがたいです。
私は禅のおかげで本当に前向きに幸せを感じて毎日を過ごせていますので、心配しないで下さいね(*^^*)
また禅の経過を報告させて頂きます☆